恐怖の7対3男


婚活友達Aちゃんは、40歳には見えない小柄で可愛らしい雰囲気の女性で
本音は年下が良いと思いつつ
婚活パーティーでは50代男性とマッチングする事が多いと言う。
婚活理由は『老後の生活の安定』『専業主婦を希望』と、
40代婚活あるある女性だが、限られた収入の中でパーティー費用を捻出し
自分磨きにも余念がない。

とある日、エグゼクティブ男性が集まる婚活パーティーで
某企業の男性B男さんとマッチングしてカップルとなった。
52歳・初婚・年収2000万、容姿も申し分なし
子供が欲しいので本音は30代女性が希望の様子だったが
きちんと初日に名刺も貰い、社名から検索したホームページにも顔が載っている。
『やったぁ〜、今日は大当たり!私もセレブの仲間入りね』と
小躍りしたい気持ちを抑えつつ、パーティーお開き後
喫茶店でお茶デートへなだれ込み
笑顔で年収以外の情報をさり気なくリサーチ。

※()内はAちゃんの心の声

Aちゃん『お住まいはどんな感じなんですかぁ〜』
B男さん『あ〜、住まいは賃貸マンション、家なんて買う必要ある?ないでしょ。賃貸で充分だよ』
Aちゃん『は、はぁ…(え、まあ、この人ならマンション一括で買えるくらいの預貯金あるよね)
      あ、お車は何に乗ってらっしゃるんですかぁ』
B男さん『車はプリウス、駐車料金が勿体無いから実家に置きっぱなしだけどね』
Aちゃん『で、ですよね、都内は駐車料金が高いもんね〜
     (も〜、庶民的な車種な上に車で送迎する気ゼロじゃん)』
B男さん『Aちゃんの仕事は?』
Aちゃん『派遣で今はコールセンターの仕事してます
     (だから収入不安定だし早く結婚して専業主婦になりたいのよ)』
B男さん『へ〜、いいね、座り仕事だし、70歳まで続けるといいよ』
Aちゃん『は、はぁ…(私が70歳までって、もし結婚したら自分が82歳じゃん。
      一生、養う気はないって事?)』

自分の子供が欲しいと言いながら仕事は続けさせたい感じの男性、
Aちゃんのテンションは下がる一方。
(これじゃあ、生活費も7対3にされそう、もう今日限りのご縁だなぁ)
もう話す気力もなく、今日は帰ろうと喫茶店のレジに行くと2人のお茶代1300円くらい。
年収が自分の10倍ある大人の50代男性、
レジには一応付いて行ったけど当然、出してくれるだろうと待っていたAちゃん。
ところがB男さん、1000円をレジがあるテーブルの上に置くとドヤ顔で振り向いた。

Aちゃん『え、あ、はい…(残りの端数は私が出せと?あ、ありえない…)』

レジのお姉さんを待たせる訳には行かず、仕方なく小銭を出すAちゃん。
いかにも多めに出してやったぞと満足げなB男さん。
これでAちゃん、サッサと帰ってくりゃ〜良いのに、
その後もガード下の赤ちょうちんみたいな汚い飲み屋に連れて行かれ、
そこでも7対3の割り勘。
挙げ句のはてに酔った勢いでホテルに連れ込まれそうになり、
逃げ帰って来たそうな。

翌日、Aちゃんの職場仲間にB男さんが
『7対3男』と呼ばれるようになったのは言うまでもない。