近現代の結婚観の変化

少子化問題といわれてからずいぶん経ち、様々な観点から対策が講じられています。
しかし、生涯未婚率は年々上昇し、未婚化・晩婚化が進展しています。
そこで、近現代の社会的背景の変化がもたらす、結婚に関する影響を考察してみました。

 明治初期の庶民の結婚は早婚で、娘盛りは14歳から17歳までとみなされていました。
この時代、共働きはあたりまえで、自由で対等な夫婦関係だったようです。
また、合わないと感じたらすぐ離婚していたようで
この当時の離婚率は世界一だったといわれています。

 明治後期、1898年に民法で家制度が制定されると、家長の同意がなければ
男性は満30歳未満、女性は満25歳未満の者については入籍が認められませんでした。
結婚は家と家との契約となり、お見合い結婚が主流となります。
また、女性は法律上の無能力者となり、結婚前は父親に、結婚後は夫に従うように
求められました。
これにより男性が外で働き、女性は家事労働や育児に専念することが確立されます。
その結果、女性の地位は一気に転落し、経済的に自立が出来なくなり
結婚することがあたりまえで、皆婚社会といわれていました。

 戦後、1947年改正された民法では、男性18歳、女性16歳以上で
親の同意があれば婚姻が認められるように変わりました。
満20歳以上で親の同意は不要となりました。
それに伴い、徐々に恋愛結婚の比率が増え、お見合い結婚が減少していきます。
お見合い結婚と恋愛結婚の比率の推移をあらわしたグラフを見ると
戦前には、お見合い結婚は全体の7割を占めていましたが
1960年代末には恋愛結婚の比率が逆転します。
現在ではお見合い結婚5.5%に、恋愛結婚が87.7%にまで伸長しています。

 1985年に男女雇用機会均等法が制定されて、女性の社会進出が進み
経済的に自立できるようになると、結婚観にも変化が見られるようになります。
さらに、1990年代に入るとグローバル化・ゆとり教育などの影響を受け
多様な価値観が広がり、結婚が全てではない、結婚よりやりたいことがある若者が増え
独身生活の最大の利点は「行動や生き方が自由」であるといわれ
それぞれが生きたいように、自由に生きる個人化へと変容しています。
一方で、いずれは結婚しようと考える未婚者の割合は、18~34歳の男性では85.7%、
同女性では89.3%で、いぜんとして高い水準にあり、結婚に関する価値観が多様化し
晩婚化が進展しているのではないかと推察されます。

 なお、結婚できない理由としてのトップは「適当な相手にめぐり会わない」です。
結婚相手に関する調査では異性の友人もいない割合は男性6割、女性5割に上っており
1982年と比較すると男性で26.0ポイント、女性21.5ポイント増加しています。 
また、同年のお見合いの比率は約29%となっており、現在は約5%であるから
単純に減少した分のお見合い結婚を増加させることで婚姻率は上昇すると考えられます。 
前述したように、お見合い結婚が一般的であった時代もあり、婚姻数や出生数が増加し
人口増加に寄与しました。

 2009年以降の婚活ブームにより、結婚相談所を利用する人は増えました。
しかし、多くの人が結婚相談所に入会しているのを内緒にしているようです。
その理由として、結婚相談所に対するネガティブなイメージもありますが
「自然に出会えないこと」に後ろめたさがあるようです。
このような理由から利用しない人も多いようです。 
現代は、個人の自由が尊重される時代といわれ価値観が多様化しています。
結婚相談所を利用した結婚は、いわゆる「婚活」ではなく、「適当な相手にめぐり会う」ための
一つの選択肢として考えてみてはいかがでしょうか。