正直相談員の日々是好日@とある結婚相談所③


お見合いを終えた男性様が真剣な表情で私に言う。「今まで話していなかったことがあるので…実は…」
とある結婚相談所に勤める私は、会員様のご相談に与るのが大切な役目だ。このQ男様(42歳)とも何度もお話しさせてただいている。でも、今日は満席・フル稼働で空き時間も空き部屋も無い。『ごめんなさい。今日はご予約一杯で…』と私。
なのに、Q男様、聞いちゃいない。「実は…」とズンズン近づいてくる。「実は…」と廊下の隅に追いこまれ、ついに背に壁。壁ドンに近い状態だとご想像いただきたい。
「実は…」「実は…オレ…経験が無いんだ」『?何?』
「女性経験が無いんだ」 『ヘッ??』
発言の意図がイマイチ掴めず、私は口走ってしまった『私で試したいってこと??』
今度はQ男様が「ヘッ??」
しばしの沈黙のあと、憑き物が落ちたような冷静な表情になられたQ男様。「それはない」と簡潔な一言を残して回れ右。そのまま帰って行かれた。
おぉーい。それはそれで失礼だろう!!